ふじのまちだより
【11月号】二次健診はお済ですか?~血圧編~
日に日に寒くなり、上着が必要な季節になってきました。今年度も半分を過ぎ、健康診断結果をもう受け取った方も多いのではないでしょうか?血圧がひっかかってしまっている方もいらっしゃると思います。高血圧症は放っておいてはいけない疾患で、寒くなると合併症を起こしやすいということはご存じでしょうか?
血圧って?


まずは、血圧の仕組みついてお話させていただきます。心臓が収縮し、身体に血液を送り出して血管が拡張した時の血管内圧力を「収縮期血圧」(上の血圧)と言います。反対に心臓が拡張し、血管が元に戻り圧力が減った状態を「拡張期血圧」(下の血圧)と言います。心臓の力や拍動数、血管の状態、血液量など様々な要因で血圧は変動します。そのため血圧は一定ではありません。一般的に朝は高く、寝る前などは低くなります。また、緊張や運動、気温などにも左右されます。
血管はゴムホースのように劣化し硬くなったり、脆くなったりします。血管壁にプラーク(脂肪の塊)がこびりつくと血管内が狭くなり「動脈硬化」と言われる状態になります。
高血圧
140/90mmHg以上
家庭では135/85mmHg以上
高値血圧(予備軍)
130/80mmHg以上
家庭では125/75mmHg以上
目標血圧
130/80mmHg未満
家庭では125/75mmHg未満
血圧が気になる方は朝・夕、毎日同じ時間帯に血圧を測定し記録しましょう。
高血圧症
| 症状 | 基本的に無症状 |
| 原因 | 肥満、飲酒、喫煙、塩分の摂りすぎ、運動不足、ストレス、腎臓疾患、甲状腺疾患 など |
| 治療 | 服薬、食事療法、運動療法、生活習慣の改善 |
| 合併症 | 脳血管疾患、心臓疾患、末梢血管疾患、腎不全、循環器疾患 など |
健診にいらっしゃった方の中には「症状がないから大丈夫」とおっしゃる方もいますが、高血圧症は基本的に無症状で進行する≪サイレントキラー≫です。過度な緊張や飲酒などで急激に血圧が上昇した場合は、頭痛やめまい、吐き気などの症状が出現しますが、徐々に上がっていった高血圧症は無症状です。症状が出た時(頭痛やしびれ、胸痛)は何らかの合併症をおこしている可能性があります。
予防のための二次健診
高血圧をそのままにせず二次健診を受けましょう。薬を飲みたくないという理由や一生飲み続けるのではないかと不安に思い受診を見送ってしまっている方もいると思います。高血圧症は生活習慣病です。生活習慣を改善すれば高血圧症も改善する可能性はあります。ただ、生活習慣が結果として現れるまでにs相応な時間がかかってしまうこともありますし、現状で何か病気が隠れている場合もあります。大きな病気にならないためにお薬の力を借りるのも一つの手段かと思います。
健診で血圧がひっかかってしまった方の中には、病院で緊張してしまっただけの方もいます。現状を知り、適切な治療を受けるためにも家庭での血圧測定を記録しましょう。理想の測定方法としては、①朝起きて1時間以内②排尿後③朝食前④服薬前⑤リラックスして3回ほど測り一番いい値を記録します。記録した血圧手帳を持参し、受診しましょう。
最後に
高血圧症などの生活習慣病は、多くの病気の原因になっています。予期せぬタイミングで合併症を引き起こすことがあり、注意が必要です。運転中や仕事中、トイレや入浴時など一人になるタイミングで起きてしまうと他者を巻き込んでしまったり、発見が遅れてしまったりと思いもしない事態を引き起こす可能性があります。ぜひ、他人事と思わず自身の血圧を気にかけてみてはいかがでしょうか?
当院では、高血圧症や心疾患の患者さまも受け入れております。健診センターを併設しているためMRIやエコーなど様々な機械での検査も可能です。健診でひっかかってしまった方や自宅での血圧が高い方はぜひお気軽にご相談ください。
