【1月号】二次健診はお済ですか?~血糖値~

新年を迎え、今日から仕事始めの方も多くいらっしゃると思います。年末年始は付き合いや集まりも多くついつい飲みすぎたり、食べ過ぎたりしてしまいますね。そんな生活の影響を受ける生活習慣病の一つ糖尿病(血糖値)についてお話ししていきたいと思います。

血糖値とは?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を表したものです。食事は消化され、ブドウ糖に変わり血液中に入ります。糖質は、吸収スピードが速いため即効性のあるエネルギー源として脳や筋肉で使われます。糖質をコントロールするのが、すい臓から分泌されるインスリンやグルカゴンです。
個人差はありますが、健常者の場合は食事を始めてから血糖値は上昇し、約1時間後にピークに達します。そこから徐々に下がり2~3時間後には通常の血糖値に戻ると言われています。健康診断では、基本的に食後10時間以上経過した空腹時血糖または、食後3.5時間以上経過した随時血糖を測定します。正確な血糖値の検査は、食事の内容や量などの影響を受けない空腹時血糖検査です。もう一つ糖質の検査として用いられるのが、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。HbA1cは検査前から約2か月糖質の影響を受けて変化したヘモグロビンの濃度を表したものです。
インスリンの力がなければ糖質はエネルギー源として活用されません。運動不足や過食によりインスリンの働きが鈍ったり、遺伝的にインスリンの分泌が少なかったりすると血液中の糖質は、活用されず血液中の糖質濃度が高くなり高血糖になってしまいます。このような状態だと、普段は尿に糖は混じらないのですが、不要なものとして尿中に糖が排出されます。
同じくすい臓から分泌されるグルカゴンは、血糖値が下がりすぎないように肝臓や中性脂肪から糖質を生成し、エネルギー源として血液中に糖質を放出する役割があります。このようにインスリンとグルカゴンの働きによって血糖値はコントロールされています。

空腹時血糖(食後10時間以上)
随時血糖(食後3.5時間以上)
70~109mg/㎗以下

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)      4.6~5.5%以下

糖尿病とは?

何らかの原因でインスリンやグルカゴンが正常に作用せず、血液中の糖質濃度が高い状態が続いている疾患です。インスリンは、糖質が細胞に入れるようにしてくれる役割があります。血液中の糖質は、細胞に入りエネルギーとして使われたり、貯蓄されたりします。Ⅰ型糖尿病は、原因が正確にはわかっていませんが、自身ですい臓に攻撃をしてしまうことでインスリンを分泌する力が弱まってしまう病気です。インスリンの分泌が少ないことで、糖質が入れる細胞が減少し血液中に糖質が残ってしまうことで起きます。Ⅱ型糖尿病の場合は、遺伝的や運動不足、過食、肥満、過剰な飲酒などによりインスリンは十分に出ているにもかかわらず、インスリンがうまく働けない状態になって起きる病気です。インスリンがうまく働かなくなるとグルカゴンの働きも異常作用を起こし、高血糖状態が続いてしまいます。
初期症状としては、頻尿やのどの渇きなどがありますが徐々に進行するⅡ型糖尿病では症状に気づかない方がほとんどです。
血液中の糖質濃度が増えると、血液はドロドロになり動脈硬化の原因になります。また、細胞の酸化が進み細胞が傷ついてしまいます。これらが原因で様々な合併症を起こします。

糖尿病性腎症 腎臓の細かな血管が傷つき腎臓が正常に機能しなくなる。透析が必要になる場合もある。
糖尿病性網膜症   目の細かな血管が傷つき網膜が正常に機能しなくなる。最悪の場合失明する。
糖尿病性神経障害   神経や神経の周りの血管が傷つきしびれや感覚異常をきたす。
動脈硬化末梢血管の循環不良や心臓や脳などの血管の狭窄・梗塞の原因になる。末梢の循環不良になり傷が治りにくく壊死する場合がある。
癌の発症リスク発がんリスクが約1.2倍に上昇する。
易感染状態高血糖状態が続くと免疫力が低下する。感染症にかかりやすくなる。些細な傷も炎症など起こしやすい。

予防のために二次検査を

健康診断の項目の中にはHbA1cが入っていない場合があります。空腹時血糖が高めの方や尿糖が出ている方は、二次健診でHbA1cや糖負荷試験(ブドウ糖を飲んで時間ごと採血し、血糖値を測定する方法)で糖尿病の可能性があるか検査することをお勧めします。糖質は糖尿病でだけではなく、高血圧や高脂血症などの要因にもなってきます。よく聞く病気だからと軽く考えず、大きな合併症を起こす前に早めの受診をしましょう。また、中にはご自身で糖質制限をする方もいらっしゃいますが、間違った方法や過度な糖質制限はリバウンドの原因になったり、最悪の場合命に関わる事態を起こすこともあります。正しい食事方法や定期的な血液検査などで安全に安心して治療を受けられることをお勧めします。

最後に

糖尿病は、動脈硬化から起こる命に関わる合併症の他にも失明や足の切断、透析通院など心身の負担を強く感じる合併症もあります。健診でご指摘を受けた際にはお早めに受診することをお勧めします。
当院クリニックでも健診後の二次健診を承っております。ご自身で判断せずお気軽にご相談ください。