ふじのまちだより
【6月号】ほっとかないで脂肪肝
みなさんは定期的に腹部の超音波(エコー)検査を受けていますか?血液検査だけではわからないこともあります。その中の一つの脂肪肝…一度は耳にしたことがあると思います。あまりにも身近な言葉すぎて安易に考えてしまう方も少なくはないかと思います。
脂肪肝って?
皆さんがイメージする通り肝臓が脂肪を蓄えている状態、フォアグラの状態です。肝臓は、毎分約1ℓの血液が流れ込んでおり、胆汁生成や体温維持、血糖調整、アルコールや薬などの分解、脂質・コレステロールの調整、ビタミンA、D、B12などを貯蔵、免疫・防御機能と大変重要な臓器です。脂肪肝になると肝臓に脂肪が蓄積され機能が低下します。
症状
基本的に無症状です。脂肪肝が進行すると倦怠感(だるさ)や食欲不振などが現れることがあります。
肝硬変や肝炎などになると黄疸や腹水などの症状が出現します。
原因
脂肪肝には主にアルコール性と非アルコール性があります。アルコール性は、その名の通りアルコールの過剰摂取が原因です。非アルコール性は、肥満、糖尿病などの生活習慣病、薬剤の影響、遺伝性などが原因になると言われています。現代では非アルコール性の脂肪肝が増加しています。
放置すると
脂肪肝の指摘をそのまま放置してしまうと、慢性的な炎症で肝細胞が破壊されていきます(代謝機能障害関連脂肪肝炎:MASH)。脂肪で機能が低下しているため再生が追い付かず線維化していき、肝硬変へと移行してしまいます。線維化した肝臓は元には戻りません。肝硬変は肝がんになるリスクを高めます。また、肝機能を失った肝硬変の状態(非代償性肝硬変)では、肝移植などが必要であり、10年生存率は25%以下と言われています。

治療法
治療法は生活習慣の改善です。また、生活習慣病を併発している場合は、生活習慣病の治療・管理(食事・運動・睡眠など)が必要です。その他に肝細胞を守るために薬を使用することもあります。
服薬などの治療がない場合でも定期的に血液検査や腹部エコーで経過をみていくことも重要です。
予防のために
脂肪肝は程度に関わらず肝硬変や肝がんに移行する可能性があります。健康診断の際には脂肪肝の有無や肝臓の状態を把握しておきましょう。また、健診時指摘があった場合には必ず精密検査を行うことをおすすめします。
・AST(GOT):肝細胞が破壊されると上昇する。脂肪肝の場合AST>ALTになることが多い。
・ALT(GPT):肝細胞が破壊されると上昇する。
・γ₋GTP:肝臓に負担がかかると上昇。アルコールの影響を受けやすい。
・中性脂肪:血液中の中性脂肪が高いと内臓脂肪を起こしている可能性もある。
・FIBー4index:肝線維化の進行を評価する。AST,ALT、血小板数、年齢から計算する。
・腹部超音波検査:肝臓をエコーで確認できる。※当院では、肝硬度を測定することができる機器を取り扱っています。
・腹部CT:腹部を断面図で見ることができる。エコーとの併用がおすすめ。
最後に
健診時に皆様のお話をおうかがいすると、「病院に行っても体重減らそうとしか言われないから行かなくなった」など一度受診してくださったあとに治療の必要がないから大丈夫と思ってしまったり、また同じことを言われるだけだし…とそのままになっていまう方が多くいらっしゃいます。健診では病気の前段階を見つけるため病院では、まだ大丈夫と言われてしまうこともあります。それでもそのままにはせず経過をみていくことが大切です。健診での腹部エコーをおすすめします。
ふじの町クリニック・健診センターは、順天堂大学付属静岡病院 消化器内科の脂肪肝の協力研究機関として、AI搭載のハイエンドエコーでの高度な検査を実施しており、当日の検査追加が可能です。問診時には前回の健診結果からおすすめの検査をご案内させていただいております。気になることは何でもお尋ねください。健診結果で二次検査が必要な場合、クリニックでの検査が可能です。エコーだけではなくCT、MRIと様々な検査が可能です。いつでもお問い合わせください。
