ふじのまちだより
【10月号】胃内視鏡(胃カメラ)と胃透視(バリウム)どっちがいいの?
皆さんは毎年胃の検査を受けていますか?「どの検査を受けるべきかわからない」という方もいらっしゃると思います。胃内視鏡検査と胃透視検査のそれぞれの特徴を知って、ぜひ次回の健診の参考にしてください。
胃透視検査

胃透視検査は、発泡剤で膨らんだ胃の壁にバリウム(造影剤)をつけレントゲンで撮影する検査です。胃の全体(輪郭)がわかるよう胃を膨らめますので、検査中はげっぷを我慢する必要があります。また、台に乗り立位で撮影をするため自力での立位保持が難しい方は検査できないことがあります。
~所要時間~
10分程度
~特徴~
*胃の全体像を観察できる
*胃の動きをみながら検査できる
*胃壁が固い部分がわかりやすい
(スキルス性胃がんをみつけやすい)
*胃の凹凸や形状の変化がわかる
*費用が比較的安価
*検査後もバリウム排出まで注意が必要
*大腸の疾患がある方は検査不可の場合がある
*造影剤のアレルギーを起こすことがある
*誤嚥リスクがある方は検査不可
~こんな方におすすめ~
*若年層
*嘔吐反射が強い方
*麻酔薬のアレルギーの方
胃内視鏡検査
胃内視鏡検査は、小さなカメラを用いて直接観察する検査になります。鼻や口から入り、食道・胃・十二指腸を観察します。喉を通るため違和感があり、嘔吐反射がおきること(嗚咽してしまうこと)があります。また、バリウム同様に胃を空気で膨らませ、胃の内部を観察するため検査中はげっぷを我慢する必要があります。

~所要時間~
5~10分程度
(前処置の時間は含まれない)
~特徴~
*粘膜の色や状態を直接観察できる
*その場で生検(細胞採取)が可能
*胃だけでなく食道や十二指腸も観察できる
*嘔吐反射が起こる可能性がある
*麻酔でのアレルギーがある方は難しい
*費用がかかる
~こんな方におすすめ~
*バリウムで指摘を受けた方
*造影剤のアレルギーがある方
*家族に胃がん罹患者がいる方
*ピロリ菌除菌後の方
*ピロリ菌が除菌できなかった方
*極度の便秘症の方
*腸の術後で医師からバリウムの許可が下りていない方
どちらを選択すればいいのか?
どちらの検査にも得意・不得意があります。また、一人一人状況は異なるため“〇〇だけ検査していれば大丈夫”とは言い切れません。嘔吐反射が強く胃カメラがつらい方は、特に胃カメラでの指摘がなくピロリ菌が陰性であれば毎年胃カメラでなくてもいいのではないかと考えます。ピロリ菌を除菌した方は、ピロリ菌による胃炎症状が残るため極力胃カメラでの検査をおすすめします。だからと言って「今年は胃カメラ取れなかったから胃の検査はなしで…」
とはならずにバリウムを受けるか、他院での胃カメラをご検討していただきたく思います。
ピロリ菌の有無に限らず、飲酒や喫煙されている方は食道がんのリスクも上がります。そのため胃カメラで食道の観察をしていただくことをおすすめします。ご自身の状況や希望、健診での結果などから検査を選択してください。
最後に
胃の検査を受ける際には、前日の21時以降は絶食し胃のなかが空の状態で行います。
しかし、前日に消化の悪いものや暴飲暴食をすると、消化しきれず胃の内容物が残ることがあります。
また、最近では糖尿病や肥満症、脂肪肝の治療として消化吸収を抑制し空腹感を抑える作用のある薬を使用することがあります。この治療薬を使用中の方は、21時以降絶食をしていても胃の内容物が残りやすいです。そのため、軽い食事や消化のいいもの、量を減らすなどの注意が必要になります。普段からどんな作用のお薬を処方されているのか知っておくと良いですね。
当院健診では、問診確認時におすすめの検査についてお話しさせていただくことがあります。気になっていることや迷っていることなどがございましたらスタッフにお尋ねください。
健診のコースによっては、胃の検査が含まれていないことがあります。ご自身の健診内容を今一度ご確認ください。どんな疾患でも症状がないから大丈夫ということはありません。年に一度自分の身体・健康状態を確認するためにも胃の検査を含め、しっかりと健診を受けられることをおすすめします。
